空白の空に手を伸ばせば
僕たちは、絶望の淵に立たされたときに、どれだけを他人を愛せたかを競い合い、運命という偶然に縋りつき、涙の数をいつまでも数え続ける。
この手には光はないけれど、この指はいつまでも太陽には触れないけど、地面はいつまでも湿っぽいままだけど、ほんの少しの日差しに背中を授けた。
あの戦で敗れた錆びた勇気の剣や苦しさの盾は、干からびた街のシンボルとして土の中で眠り、互いの夢を蝕むことなく慰め合う。
あの日の私は何になりたかったのか夢の続きの演奏の果てのような感覚から、目を覚ましたその時にたった一つの心やらを教わった。